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知らなきゃヤバい!スマホ運転の「厳罰化」で、軽貨物ドライバーが免許を失うリスクが高まった件

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軽貨物運送業に携わる皆さん、毎日の運転、本当にお疲れ様です!

私たちの仕事は、車に乗っている時間が非常に長いです。お客様との電話連絡、届け先の確認、ルート検索、地図アプリの確認…正直、スマートフォンなしでは成り立たない部分もありますよね。「ちょっとだけなら…」「信号待ちの間なら…」なんて、運転中にスマホを手に取ったり、画面を見てしまったりした経験、一度はあるかもしれません。(もちろん、絶対にしちゃダメなことですが!)

でも、その「ちょっとだけ」が、あなたのドライバー生命を、そしてすべてを台無しにしてしまう可能性があることを、改めて強く意識する必要があります。なぜなら、スマホ(携帯電話)等を使用しながら運転する行為、いわゆる「ながら運転」に対する罰則が、2019年12月1日から大幅に強化されているからです。

この法改正、内容をちゃんとご存知ですか?「罰金が上がったらしい」くらいの認識だと、実はとっても危険です!違反点数も跳ね上がり、「一発免停」や、最悪の場合は免許取り消し、さらには前科までついてしまう可能性があるんです。

私たちフリーランスの軽貨物ドライバーにとって、**免許は文字通り「命綱」**です。その命綱を失うリスクが、スマホ運転によって恐ろしく高まっている。これは、決して他人事ではありません。

今回のブログでは、この厳罰化された「ながら運転」の法律について、具体的に何が変わったのか、違反点数や罰金(反則金)はいくらになったのかを詳しく解説します。そして、なぜこれが私たち軽貨物ドライバーにとって、特に致命的なリスクとなりうるのか、そしてどうすればスマホを安全に、賢く仕事に活用できるのかを、真剣に考えていきたいと思います。

なぜスマホ運転は危険なのか?改めて考える、ほんの数秒の代償

「ちょっと画面を見るだけ」「LINEの通知を確認するだけ」。その一瞬が、どれほど危険なことか、今一度考えてみましょう。

車は、たった数秒の間に驚くほどの距離を進みます。

  • 時速40km(約11m/秒)で走行中に、スマホ画面を2秒見たら、約22m進みます。
  • 時速60km(約17m/秒)なら、2秒で約34m。
  • 時速80km(約22m/秒)なら、2秒で約44m。

たった2秒、あなたは目を瞑って運転しているのと同じです。その間に、前を走る車が急ブレーキをかけるかもしれません。信号の色が変わるかもしれません。歩行者や自転車が飛び出してくるかもしれません。

スマホに意識が向いている間は、周囲の危険に気づくのが遅れます。とっさの判断や操作ができなくなります。車体がフラつくこともあります。これでは、安全な運転ができるはずがありません。

「自分は大丈夫」「慣れているから」という過信は、事故の元です。多くの「ながら運転」による事故は、「大丈夫だと思った」瞬間に起きています。私たちプロのドライバーは、一瞬たりとも運転から意識をそらしてはいけません。

厳罰化された「ながら運転」の法律(2019年12月1日施行)を知る

さて、本題の法律についてです。2019年12月1日に改正道路交通法が施行され、スマホ運転(携帯電話使用等)に対する罰則が大幅に強化されました。改正されたのは、大きく分けて以下の2つの違反行為です。

1.携帯電話使用等(保持)

  • 行為: 運転中に携帯電話やスマホを手で持って通話したり、画面を注視したりする行為。手に持っていなくても、画面を固定していても、カーナビとして使用中に画面を「注視」(じっと見続けること)する行為も含まれます。
  • 危険度: 低(ただし、危険を生じさせる可能性は十分にある)
  • 改正前(〜2019年11月30日)の罰則:
    • 違反点数:1点
    • 反則金:大型車等 7,000円、普通車 6,000円、二輪車 5,000円、原付 5,000円
  • 改正後(2019年12月1日〜 現在)の罰則:
    • 違反点数:3点 (一気に3倍!)
    • 反則金:大型車等 25,000円
    • 普通車 18,000円 (これも3倍!)
    • 二輪車 15,000円
    • 原付 12,000円

信号待ちや渋滞中であっても、車が動いている(停車中ではない)状態であれば、手に持って通話したり、画面を注視したりするだけでこの罰則の対象となります。そして、違反点数がいきなり3点!過去に他の違反で点数が累積していると、これだけで一気に免停が見えてきます。反則金も大幅に跳ね上がりました。

2.携帯電話使用等(交通の危険)

  • 行為: 携帯電話等の使用が原因で、周囲の状況が見えなくなり、事故を起こしかけたり、急ブレーキをかけたりするなど、交通の危険を生じさせる行為。
  • 危険度:
  • 改正前(〜2019年11月30日)の罰則:
    • 違反点数:2点
    • 罰則:5万円以下の罰金
  • 改正後(2019年12月1日〜 現在)の罰則:
    • 違反点数:6点 (これも3倍!)
    • 罰則:1年以下の懲役または30万円以下の罰金 (懲役刑または大幅な罰金刑に!)

こちらは、単にスマホを使用しただけでなく、それによって具体的な危険な状況を作り出してしまった場合の罰則です。違反点数がいきなり6点!そして、これはもはや反則金で済まされる行政罰ではなく、懲役刑も含む刑事罰の対象となります。罰金も最高30万円と、個人にとっては非常に重い金額です。

【重要】反則金と罰金の違い

  • 反則金: 比較的軽微な交通違反(反則行為)の場合に課される行政処分です。反則金を納付すれば、刑事裁判や家庭裁判所の審判を受けることなく事件が終了します。「青切符」の場合がこれにあたります。
  • 罰金: 道路交通法違反のうち、反則行為よりも重い違反や、反則金を納付しなかった場合に課される刑事罰です。検察官によって起訴され、裁判官によって言い渡されます。「赤切符」の場合がこれにあたります。罰金刑を受けると、前科がつくことになります。

つまり、改正後は、スマホを手に持って注視しているだけでも「3点、反則金1.8万円(普通車の場合)」となり、もしそれでヒヤリとするような危険な場面を作ってしまえば、一気に「6点、罰金30万円以下または懲役、前科がつく」という、非常に重い罰則が科されるようになったのです。

軽貨物ドライバーにとって「スマホ運転」が「致命的」である理由

なぜこの厳罰化が、私たち軽貨物ドライバーにとって特に「致命的」と言えるのでしょうか?

  1. 免許はあなたの「命綱」だから

    私たちフリーランス軽貨物ドライバーは、車を運転することで生計を立てています。運転免許証は、私たちが仕事をするための「資格」であり、まさに「命綱」です。前述の違反点数をよく見てください。

    • 「保持」で一発3点: 過去1年間に他の違反がなくても、これだけで累積3点です。もし過去に軽い違反(一時停止違反2点など)があった場合、合計点数が一気に高まる可能性があります。
    • 「危険」で一発6点: 交通違反の累積点数が、例えば過去に全く違反がなくても6点になると、最低30日間の運転免許停止処分(免停)の対象となります。つまり、スマホ運転で危険を生じさせて摘発された場合、初犯でも一発免停となる可能性が高いのです。
    • 免許停止・取消処分: 一度免許停止になると、その期間は一切運転できません。これは、あなたの収入がゼロになることを意味します。停止期間が長くなったり、免許取消処分になってしまったりしたら…廃業に追い込まれる可能性も現実的に出てきます。
  2. 高額な罰金・反則金が事業を圧迫する

    普通車の場合、スマホを手で持って注視しただけで反則金が1.8万円です。これは、日々の売上から捻出する必要があります。数日分の手取りが飛んでしまうほどの金額です。もし危険を生じさせて罰金刑となった場合、最高30万円もの罰金は、フリーランスの事業にとって計り知れないダメージとなります。これらの罰則金は経費にはできません。

  3. 事故を起こした場合の損失は計り知れない

    スマホ運転が原因で事故を起こした場合、失うものは罰則だけではありません。

    • 自身の怪我や車両の損害: 働けなくなる期間が発生し、修理費用や休車中の損害も発生します。
    • 荷物への損害: お客様から預かっている荷物を破損させてしまった場合、弁償の責任が発生します。
    • 相手への賠償: 相手に怪我をさせたり、物を壊したりした場合、対人・対物賠償責任が生じます。自動車保険でカバーされるとはいえ、限度額を超えたり、免責金額が発生したりする可能性があります。
    • 信用失墜: 事故を起こした、あるいは違反で捕まったことがお客様に知られれば、信用を失い、今後の仕事の継続が危うくなる可能性もあります。
  4. 走行距離が長いほど、取り締まりのチャンスも増える

    私たちは他のドライバーよりも圧倒的に長時間、長距離を運転しています。ということは、その分、警察の取り締まりの目に触れる機会も多くなります。スマホ運転を常習的に行っていれば、いつか必ず摘発されるリスクと隣り合わせで走っていることになります。

このように、スマホ運転によるリスクは、私たち軽貨物ドライバーにとって、安全面だけでなく、事業継続という点でまさに「致命的」なものなのです。

これなら大丈夫!軽貨物ドライバーのための「スマホ安全活用術」

スマホは確かに便利で、仕事に欠かせないツールです。では、どうすれば危険なスマホ運転をせずに、安全に、賢くスマホを仕事に活用できるのでしょうか?

基本は一つです。**「運転中に操作したり、注視したりしない」**こと。

具体的には、以下の点を徹底しましょう。

  1. 必ず「安全な場所に停車」してから操作する:

    これが絶対のルールです。信号待ちや渋滞で止まっている間は、道路交通法上は「運転中」とみなされます。たとえ停止線で完全に止まっていても、その間にスマホを手で操作したり、画面を注視したりすれば罰則の対象となります。

    コンビニの駐車場、パーキングエリア、路肩の安全なスペースなど、ハザードランプを点灯させて完全に停車し、運転から解放された状態になってから、スマホを操作しましょう。

  2. スマホホルダーを活用し、注視は最小限に:

    ナビとして使う場合は、ダッシュボードの上など、視線を大きく移動させずに済む位置にしっかりと固定できるスマホホルダーを利用しましょう。ただし、固定していても、画面を「注視」(じっと見続けること)する行為は違反です。ルート確認や地図の全体像をサッと確認する程度に留めましょう。頻繁な確認が必要な場合は、安全な場所に停車して行います。

  3. 音声入力や音声操作を最大限に活用する:

    目的地設定やメッセージの送信など、音声入力や音声操作ができる機能は積極的に活用しましょう。これにより、画面を手で触る回数を減らせます。ただし、音声操作に気を取られすぎないよう注意が必要です。

  4. 出発前や停車中に、目的地設定とルート確認を済ませる:

    走り始めてから目的地設定やルート検索をするのは危険です。出発前に必ず設定を済ませ、大まかなルートを頭に入れておきましょう。ルートを外れてしまったり、新しい指示を確認したりする必要がある場合は、安全な場所に停車してから操作します。

  5. 着信や通知は「停車してから」確認・返信する習慣をつける:

    仕事の電話やメッセージの通知が入ると、ついつい気になってしまいますが、運転中は絶対に無視しましょう。安全な場所に停車してから、誰からの連絡か確認し、必要であれば折り返す・返信する習慣をつけます。急ぎの連絡が頻繁に来る場合は、取引先にも「運転中は電話に出られないため、停車後にかけ直します(またはメッセージを確認します)」と伝えておくなど、事前のコミュニケーションも大切です。

  6. 物理的に「触れない環境」を作る:

    最も確実なのは、運転中はスマホを簡単に手の届かない場所に置いておくことです。カバンの中に入れる、専用のボックスに入れるなど、物理的にすぐに触れない環境を作ることで、誘惑を断ち切ることができます。

これらの安全な活用術を徹底することで、スマホの便利さを活かしつつ、危険な「ながら運転」のリスクをゼロにすることができます。

もしも摘発されたら?フリーランスとして知っておくべきこと

どんなに注意していても、うっかりミスで摘発されてしまう可能性はゼロではありません。(もちろん、しないことが一番ですが!)もしも警察官に停止を求められ、スマホ運転で摘発された場合、知っておくべきことがあります。

  1. 違反をしたら素直に認める: もし違反行為をしてしまったのであれば、言い訳せずに素直に認めましょう。不必要な抵抗は状況を悪化させるだけです。
  2. 青切符と赤切符: 比較的軽微な「保持」違反であれば、多くの場合「青切符」(交通反則告知書)が交付されます。この場合、指定された反則金を納付することで、刑事手続きに進むことはありません。しかし、定められた期限までに反則金を納付しないと、刑事手続き(罰金刑など)へ移行してしまいます。 一方、「危険」を生じさせてしまった場合や、悪質な場合は「赤切符」(告知票・意見聴取通知書)が交付されます。この場合は反則金では済まず、最初から刑事手続きに進むことになります。検察官による取り調べを受け、裁判で罰金刑などが決定されます。前科がつきます。
  3. 違反点数と行政処分: 摘発されると、違反点数が累積されます。累積点数が一定以上になると、過去の交通違反歴に応じて運転免許の停止(免停)や取消処分といった行政処分が科されます。例えば、過去3年間に運転免許の停止処分を受けたことがない場合、累積6点で30日間の免停、累積15点で免許取消といった処分になります。スマホ運転(危険)は一発6点ですから、初犯でも免停ラインに到達してしまうわけです。
  4. 講習など: 免許停止処分を受けた場合、停止期間を短縮するための講習を受けることができます。しかし、講習を受けるにも費用と時間(=仕事ができない時間)がかかります。

摘発された場合、反則金や罰金の支払いといった金銭的な負担はもちろん、違反点数による行政処分が、私たち軽貨物ドライバーの仕事に直接的な、そして非常に大きな影響を与えます。

まとめ:たった一瞬の「ながら」が、すべてを奪う可能性がある

軽貨物運送業の皆さん、今回のスマホ運転(ながら運転)に関するブログ、いかがでしたか?

2019年12月1日の法改正により、スマホ運転の罰則は大幅に強化され、私たち軽貨物ドライバーにとって、単なる交通違反ではなく、**「事業の継続を脅かす深刻なリスク」**となりました。

スマホを手に持って通話や操作をしたり、カーナビとして固定していても画面を注視したりする「保持」行為は、違反点数3点、普通車で反則金1.8万円です。そして、それで危険を生じさせてしまえば、違反点数6点、最高30万円の罰金または懲役刑、そして前科がつく可能性があります。

私たちにとって、運転免許は命綱です。この命綱を失う可能性のあるスマホ運転は、絶対に避けるべき行為です。日々の業務でスマホが必要な場面があることは理解できますが、その際は必ず安全な場所に完全に停車してから操作するスマホホルダーや音声操作を賢く利用する、そして何より**「運転中は絶対にスマホに触らない」という強い意識を持つ**ことが重要です。

たった数秒のスマホ操作で節約できるかもしれない時間なんて、事故を起こした場合に失うもの(命、体、車、荷物、信用、そしてお金…)や、摘発された場合の罰則(免許停止や罰金)に比べれば、あまりにも小さく、割に合いません。

私たちプロドライバーは、安全運転の模範であるべきです。法改正の重みをしっかりと受け止め、二度と「ながら運転」をしないと心に誓い、日々の運転業務にあたりましょう。

今日も明日も、そしてこれからも、皆さんが安全に、そして安心してハンドルを握り、お仕事に取り組めることを心から願っています。全国の軽貨物ドライバーさん、ご安全に!応援しています!


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