軽貨物運送業に携わる皆さん、日々の運転、本当にお疲れ様です!
私たちの仕事にとって、ガソリン価格は毎日の売上や手取りにダイレクトに響いてくる、まさに「悩み」の種ですよね。「またガソリン上がってるよ…」「満タンにしたら、いくらになるんやろ…」と、給油するたびにため息をついているドライバーさんも多いのではないでしょうか?
燃料費は、車両費の中でも特に大きな割合を占める変動費です。この燃料費が高いと、どれだけ効率よく荷物を運んでも、手元に残るお金が少なくなってしまいます。私たちには、原油価格の変動や為替レートをコントロールすることはできません。だからこそ、今の高い燃料費にどう向き合うか、そしていかに賢く節約するかが、手取りアップに繋がる重要な課題となります。
今回は、この軽貨物ドライバー共通の悩みである「高すぎる燃料費」に焦点を当てて、そのリアルな影響を確認しつつ、ちょっと視野を広げて「未来の燃料技術」がどうなっているのか見てみましょう。そして何よりも、今日からすぐに実践できる、効果的な燃料費節約術について、具体的な計算も交えながらじっくりと考えていきたいと思います!今の不満を、未来への希望と、今日からの行動に変えていきましょう!
軽貨物ドライバー共通の悩み「高すぎる燃料費」のリアル
毎日の走行距離が多い私たち軽貨物ドライバーにとって、燃料費は車両費の中でも最も大きな、そして最も変動しやすいコストです。ガソリン価格が数円上下するだけでも、一ヶ月、一年と積み重なれば、無視できない金額の差になります。
燃料費が高いことのリアルな影響は、皆さんも日々肌で感じていることでしょう。
- 手取りの減少: 売上から経費(燃料費含む)を引いたものが手取りです。燃料費が上がれば、そのまま手取りが減ります。これは最も直接的な影響です。
- 価格変動への不安: 今日の価格はいくらだろう、明日上がるんじゃないか…といった価格変動への不安が常に付きまといます。
- 効率へのプレッシャー: 燃料費が高い分、少しでも燃費を良くしよう、無駄な走行を減らそう、と常に効率を意識する必要が出てきます。
- 給油所の価格比較: 少しでも安い給油所を探すために、時間や手間をかけることになります。
私たちの努力だけではどうにもならない、外部要因によって手取りが左右されるというのは、大きなストレスとなります。だからこそ、せめて自分でコントロールできる範囲、つまり「いかに燃料を使わないか」「いかに賢く給油するか」といった点に意識を向けることが重要になるのです。
【燃料小ばなし】未来の燃料技術ってどうなってるの?
今の高い燃料費に悩む中で、「将来、ガソリンや軽油に代わる、もっと安くて環境に良い燃料は出てこないのかな?」と期待する方もいるかもしれません。実は、様々な研究や開発が進められています。いくつか興味深い「未来の燃料」技術について見てみましょう。
① ドリーム燃料(人工石油)
まるでSFのような話ですが、水(H₂O)と二酸化炭素(CO₂)を原料に、特殊な光触媒を利用して人工的に石油を作り出すという研究が進められています。日本の企業などが開発に取り組んでおり、「ドリーム燃料」などと呼ばれたりします。これが実用化されれば、石油資源に頼らず、大気中のCO₂を減らしながら燃料を作り出せるという、資源問題と環境問題の両方を解決しうる夢のような技術です。まだ研究段階ですが、実現すればエネルギーの未来が大きく変わる可能性があります。
② 水素内燃機関
これも未来のエネルギーとして注目される技術です。水を電気分解して水素(H₂)を作り出し、この水素を燃料としてエンジンで燃焼させて車を動かします。水素を燃焼させると、排出されるのは水(H₂O)だけです。排出された水を再び電気分解して水素を作る、というクリーンな循環構造を構築する構想です。ただし、水素の製造方法(再生可能エネルギーで電気分解するのが理想)、水素の貯蔵や輸送、燃焼時の課題(高い温度での燃焼時に窒素酸化物=NOxが発生しやすい)など、実用化にはまだ多くのハードルがあります。
③ 電気自動車(EV)のリチウムイオン電池リサイクル
直接の「燃料」ではありませんが、ガソリン車に代わる未来の車両として期待される電気自動車(EV)に関わる重要な技術です。EVの普及が進むにつれて、使用済みリチウムイオン電池の廃棄やリサイクルが大きな課題となっています。リチウムなどの希少な金属を効率よく回収し、再利用する技術が求められています。ご提示いただいたように、**JX金属の子会社であるJX金属サーキュラーソリューションズ(JXCS)が、車載リチウムイオン電池に含まれるリチウムを回収率90%以上でリサイクルする新プロセスを開発したと発表(2025年4月16日)**したことは、EVの持続可能性を高める上で非常に significant な進歩です。EVがもっと環境に優しく、資源効率の良い乗り物になる未来が近づいています。
④ LPG(液化石油ガス)
これは「未来」というより、既に実用化されている燃料です。タクシーの多くがLPG車であることは皆さんもご存知でしょう。LPガスは、ガソリンや軽油に比べて燃焼時のCO₂排出量が少なく、硫黄酸化物やPMもほとんど出さない、比較的環境負荷の低い燃料です。また、価格もガソリンより安い傾向にあります。タクシーの他、トラックや教習車にLPG車を採用している企業もあります。では、なぜ一般の車や軽貨物車両にあまり普及しないのでしょうか?ご提示いただいたように、その最大の理由、そして普及しない「裏ワザ」ならぬ**「普及しない理由」は、「LPGを充填できる“LPGスタンド”が極端に少ないため、一般ユーザーにとっては非常に不便」**であることです。燃料補給のインフラが整っていないため、特殊な車両に限られるのが現状です。
これらの「燃料小ばなし」は、未来の可能性を示唆する興味深い技術ですが、残念ながら、今日、私たちが運転しているガソリンや軽油の軽貨物車両にそのまま使える、安価で手軽な代替燃料は、まだ実用化されていません。 LPGのように存在するものも、インフラの課題があります。
ということは、私たちが今の高い燃料費と戦うためには、やはり**「今使っている燃料をいかに無駄なく使うか」**に焦点を当てる必要があるのです。
高い燃料費とどう戦う?年間〇万円の差を生む、今日からできる節約術【実践編】
未来の燃料に期待しつつも、私たちは今日、今の燃料で走らなければなりません。では、どうすれば日々の燃料費を抑え、手取りを増やすことができるのでしょうか?年間数万円~数十万円の差を生む、効果的な節約術をご紹介します。
- 最も効果的!エコドライブを徹底する: これは、燃料費節約の基本中の基本であり、最も効果的な方法です。
- 「ふんわりアクセル」: 発進時、アクセルを急に踏み込まず、じわりと優しく踏み込みます。急発進はガソリンを大量に消費します。
- 一定速度での走行: 不要な加速・減速を避け、道路状況が許す限り一定の速度で走ることを心がけます。加減速が多い運転は燃費を悪化させます。
- 早めのアクセルオフ: 前方の信号が赤、渋滞、カーブなどが見えたら、早めにアクセルから足を離し、エンジンブレーキを効果的に使って減速します。
- ムダなアイドリングをやめる: 停車時間が長くなる場合は、エンジンを停止しましょう。コンビニでの停車や、荷物の受け渡しで待機する際など、意識的にエンジンを切る習慣をつけるだけで、結構な燃料が節約できます。
- タイヤの空気圧を適正に保つ: タイヤの空気圧が不足していると、タイヤが潰れて路面との抵抗が増え、燃費が著しく悪化します!燃費が悪くなるだけでなく、タイヤの偏摩耗やバーストのリスクも高まります。月に一度は必ず空気圧をチェックし、車両指定の適切な空気圧(特に積載時)に調整しましょう。 これが、安全、タイヤ寿命、そして燃費、全てに効く最も簡単で効果的な節約術です!
- 車両の軽量化: 不要な荷物や、いつか使うだろうと思って載せっぱなしにしている物を車に積んでいませんか?車両が重いほど、動かすために必要な燃料が増えます。業務に関係のない私物は車から降ろし、常に車内を整理整頓し、車両をできるだけ軽く保ちましょう。
- 効率的なルート計画: 渋滞を避ける、無駄な走行距離を減らす、複数の配達先を回る際の最適な順番を考えるなど、効率的なルートで走行することが、結果的に走行距離を減らし、燃料費を節約することに繋がります。ナビアプリや、専用の配車システムなどを賢く活用しましょう。
- 定期的な車両メンテナンス: エンジンオイル、エアフィルター、スパークプラグなどが汚れていたり劣化していたりすると、エンジンの燃焼効率が悪化し、燃費が悪くなります。車両指定の交換時期を守って、定期的なメンテナンスを行い、エンジンのコンディションを良好に保つことが、燃費効率を維持・向上させる上で非常に重要です。
- 【裏ワザ?】燃料添加剤の効果は?: 燃料タンクに入れることで、エンジン内部の洗浄効果や燃焼効率向上を謳う燃料添加剤があります。継続的に使用することで、エンジンのコンディションを良好に保ち、結果的に燃費に良い影響を与える可能性はあります。ただし、即効性や劇的な効果を過信せず、製品の選定や使用方法には注意が必要です。
これらの燃費向上テクニックを日々の運転で意識し、実践するだけで、間違いなく年間数万円、走り方や努力次第ではそれ以上の燃料費節約が可能です。
【燃料】「〇円安い給油所、行くべき?」悩ましいリアルな計算
さて、燃料費節約のもう一つの悩みどころが、「少しでも安い給油所まで、わざわざ行くべきかどうか?」という問題です。ここで、ご提示いただいたリアルな計算例を見てみましょう。
【悩ましいシミュエーション】
- あなたの車は、1リットルあたり20km走行できるとします。
- いつもの給油所(A地点)は、ガソリン価格が1リットルあたり170円です。
- そこから1km離れた給油所(B地点)は、価格が1リットルあたり167円と、3円安いです。
- あなたは、B地点までわざわざ行く方が良いか悩んでいます。
【リアルな計算】
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安い給油所(B地点)までの往復で使う燃料は?
B地点は1km先なので、往復で2km走ることになります。
あなたの車の燃費は1kmあたり0.05リットル(1リットル ÷ 20km)。
往復2kmの走行で使う燃料量: 2km × 0.05リットル/km = 0.1リットル
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往復の走行にかかる燃料費は?
0.1リットルの燃料を、もしA地点(いつもの170円/Lの給油所)で給油したと仮定すると、かかった費用は: 0.1リットル × 170円/リットル = 17円
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安い給油所(B地点)で給油することによる合計節約額は?
もしあなたが一度の給油で20リットル入れると仮定します。(軽貨物車両のタンク容量によりますが、一般的な量とします。)
1リットルあたり3円安いので、20リットル給油すると: 20リットル × 3円/リットル = 60円 の節約になります。
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往復して給油した場合の「手元に残る」正味の節約額は?
給油による節約額60円から、往復で走ったことによる燃料費17円を差し引くと:
60円(節約額) − 17円(往復にかかった燃料費) = 43円
結論:このシミュレーションでは、往復2km(片道1km)離れた3円安い給油所まで、わざわざ給油に行った場合の正味の節約額は、給油量20リットルに対してたったの43円**、となります。**
ご提示いただいた結論のように、**「個人的には失われる時間の方が大きく感じる」**というのは、まさに多くのドライバーさんが直面する、そして共感するリアルな感覚でしょう。往復2kmを移動するためには、信号や交通状況にもよりますが、数分から10分程度の時間が必要になります。私たちフリーランスにとって、時間は仕事の機会に繋がる貴重な資源です。たった43円の節約のために、貴重な時間(と労力)を失うのは、コストパフォーマンスが悪いと感じる方が多いのは当然です。
この計算から分かるのは、**「わずかな価格差を求めて、遠くまで給油に行くのは、燃料費だけでなく、時間という最大のコストを考慮すると、ほとんどの場合、得策ではない」**ということです。
では、給油所の価格比較は無意味なのでしょうか?そうではありません。
【賢い給油戦略】
- ルート上にある安い給油所を見つける: いつもの配達ルート上や、頻繁に通る道沿いにある給油所で、価格が安いお店を見つけておくのが一番効率的です。わざわざ遠回りせず、移動のついでに給油できる場所で、価格を比較するのが賢いです。
- 燃料価格アプリやウェブサイトを活用: スマートフォンのアプリやウェブサイトで、周辺の給油所の価格を比較できます。これを活用して、今いる場所から近い範囲で、その時点の最安値のお店を探すのが良いでしょう。
- 会員割引やクレジットカードを活用: 特定のガソリンスタンドチェーンの会員になったり、提携クレジットカードを利用したりすることで、会員割引やポイント還元を受けられます。行きつけのお店を決めて、こうした割引を積み重ねる方が、遠くまで行くより結果的に得られる節約額が大きくなる場合があります。
- 特売日や特定の曜日を狙う: 給油所によっては、特定の曜日や期間に価格を下げるサービスを行っている場合があります。そうした情報を活用するのも手です。
- 【裏ワザ?】満タン給油派か、こまめ給油派か?: 満タンに入れると、車両重量が増え、わずかに燃費が悪化するという側面がありますが、給油回数を減らせるというメリットがあります。こまめに給油すると、車両を軽く保てますが、給油の手間と時間がかかります。どちらが自分にとってストレスが少ないか、効率が良いかを考えてみるのも良いでしょう。
賢い給油戦略とは、単に価格だけを比較するのではなく、**「移動にかかる燃料費」+「失われる時間(タイムコスト)」**を考慮し、あなたの走行ルートやスタイルに合った、最も効率的でストレスの少ない給油方法を見つけることなのです。
結局、高い燃料費とどう向き合うか?未来への視点と今日からの行動
軽貨物運送業の皆さん、今回の燃料費に関するブログ、いかがでしたか?
高い燃料費は、私たちドライバーにとって、今すぐ解決できない大きな悩みです。ドリーム燃料や水素エンジンといった未来の技術は希望を与えてくれますが、残念ながら今日明日の燃料費を直接解決してくれるものではありません。LPGのように既存の代替燃料も、インフラの課題があります。EV電池リサイクルの進歩はEV普及を後押ししますが、車両の買い替えには大きなコストがかかります。
ということは、やはり、私たち自身がコントロールできる範囲、つまり「日々の運転」と「車両の管理」で燃料費を抑えることが、今の高い燃料費と戦うための最も現実的で、最も効果的な方法なのです。
- エコドライブの徹底
- タイヤの空気圧管理
- 車両の軽量化
- 効率的なルート計画
- 定期的な車両メンテナンス
- タイムコストを考慮した賢い給油戦略
これらの取り組みを実践することが、年間数十万円もの燃料費節約に繋がり、結果としてあなたの手取りを増やし、事業の安定性を高めることに貢献します。
燃料価格の変動に一喜一憂するのではなく、あなた自身の運転スキルと車両管理能力という、最も確実な武器を磨くことに意識を向けましょう。これが、高い燃料費に「振り回されない」ための、最も力強い対策です。
この記事が、皆さんの燃料費節約、そして日々の業務に役立つ情報となれば嬉しいです。
皆さんの燃料費が少しでも安く抑えられ、手取りが増えることを心から応援しています!全国の軽貨物ドライバーの皆さん、今日も明日も、ご安全に!
【この記事の監修は】
税理士 三浦研二 先生
元々は「売れない俳優・家電量販店の店員」でした。35歳で税理士登録をし、
心理学・DXに業務領域を展開中です。